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予選で演奏される日本人作品は 【Uzu(渦):藤倉 大】 となりました。
全8楽章からなるこの曲は「どの楽章をどの順番で演奏してもよい」という非常に興味深い楽曲です。
9月25日~27日に開催される予選において出場者34名がどのような解釈をし、演奏を組み立てるのか。
ぜひご期待ください!
東京MINATO CITY国際音楽コンクール 2025 チェロ部門
予選:2025年9月25日(木)~27日(土)@よみうり大手町ホール
藤倉 大 氏からのコメント

この作品はチェリストの上野通明さんからの個人委嘱で書いた。ソロの曲で15分程度の、という現代の音楽のソロ作品としてはとても大きな作品の依頼だった。
僕はやはり自分でも音楽祭やコンサートのキュレーションもするので、僕が選曲するコンサートだったら長い作品はプログラムしにくいなぁ、と思った。そこからアイデアが生まれた。
楽曲を複数の楽章に分け、それらをどの順番で、どの楽章を弾いても良い。但し、全体があたかも単一楽章のように聞こえるように楽章の間は途切れなく弾く、という作品ならどうだろう、と。
僕の妄想では上野さんご自身も気に入ってくださるとして、何回もこの作品を色んな所で弾きたい!となった時(僕の妄想です)、最短の一つの楽章だけの演奏だと三分、最長だと15分。それにその時の前後の公演のプログラムを考えて、Uzuを再構築する事もできるかな、と思った。
そう思いながら幾つかの楽章を書いていくと、気が付いたら8つの楽章ができた。
チェロは妻が元チェリストでもあり、よく知ってる楽器。でも初心にもどり、何回も書いては上野さんに弾いてもらうというのを繰り返した。「グリッサンドが多いと、鬱陶しいかな?」と僕が言い、それを無くした版は「ちょっと物足りなくなっちゃいますね」と上野さん。「じゃ、部分部分足してみたけど、これなら良いんじゃないですかね?」など話し合いながら作っていった。
今回、東京MINATO CITY国際音楽コンクール&ワークショップ 2025 チェロ部門における日本人作品として選出されたこと喜ばしく思います。
出場者がこの作品をどのように解釈し演奏してくれるのか。9月の予選が非常に楽しみです。