審査員
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審査員長
©井村 重人
篠崎 史紀 (日本)
ヴァイオリニスト
審査員長北九州市出身。
愛称 "まろ"。3歳より父篠崎永育、母美樹の手ほどきを受け、1981年ウィーン市立音楽院に入学。翌年コンツェルト・ハウスでコンサート・デビューを飾る。その演奏は、「信頼性のあるテクニック、遊び心もある音楽性」(ヴィーナーツァイトゥング紙)、「真珠を転がすような丸く鮮やかな音色、魅惑的な音楽性」(フォルクスシュティンメ紙)と各メディア紙から称賛される。完璧なテクニックとパッション溢れる美音は他の追随を許さない。その後ヨーロッパの主要なコンクールで数々の受賞を果たしヨーロッパを中心にソロ、室内楽と幅広く活動。
88年帰国後、群馬交響楽団、読売日本交響楽団のコンサートマスターを経て、97年NHK交響楽団のコンサートマスターに就任。以来2025年3月まで"N響の顔"として国内外で活躍する。ヨーロッパ公演では、「コンサートマスターの篠崎は言葉にならないくらい神がかっていた(イギリス紙)」「兵站学と調教が芸術へと進化し、コンサートマスターの篠崎「マロ」史紀のカリスマ的な姿は、銀白の鎧をまとった戦士のようでもあり、全てを統括していた(イギリス紙のThe Classical Source)」と評される。
演奏会やオーケストラの企画も自ら行い、2004年よりスタートした銀座・王子ホールと、"まろ"プロデュースによる共同企画『MAROワールド』は、チケットが発売初日に数十分で完売という人気シリーズである。毎回一人の作曲家を取り上げて行われるこのシリーズから弦楽合奏団「マロカンパニー」が結成され、指揮者無しの大型室内楽「マロオケ(Meister Art Romantker Orchester)」にまで発展している。これらの功績により、「 2020 年度第 33 回ミュージック・ペンクラブ音楽賞」にて『MARO ワールド』がクラシック室内楽・合唱部門賞を受賞。
その他、79年史上最年少で北九州市民文化賞、2001年福岡県文化賞、2014年第34回NHK交響楽団「有馬賞」受賞。
メディアでも幅広く活躍しており、NHK Eテレ『学校で教えてくれないクラシック』、『クラシック音楽館』の案内人、SWITCHインタビュー達人達「篠崎史紀×菊野昌宏」テレビ朝日の「徹子の部屋」に出演。現在、NHKラジオ番組『MAROのSP日記』(年2回放送)では、巧みなトークでファンを魅了している。活動の場は執筆まで及び、近年では『音楽の友』MAROの誌上名曲喫茶「まろ亭」を連載していた。
著書に、『ルフトパウゼ―ウィーンの風に吹かれて』(出版館ブック・クラブ出版)、『篠崎史紀 ヴァイオリン選曲集 Maro's Palette』(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス出版)、『篠﨑史紀のヴァイオリン上達練習法 パンドラの箱』、『絶対! うまくなる バイオリン 100のコツ』(ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス出版)、『MAROの“偏愛"名曲案内 ~フォースと共に』(音楽之友社出版)また絵本で自身初となる絵本「おんがくは まほう」(絵:村尾亘)がリトルモアより、エッセイ「音楽が人智を超える瞬間」(ポプラ社)などがある。
後進の育成にも力を注ぎ、1996年には東京ジュニアオーケストラを立ち上げる、また『楽興の時〜室内楽セミナー&演奏会〜』では指導及び共演を行っている。2019年ヴァイオリニストとしては日本人として初めてリスト音楽院より招聘されマスタークラスの指導を行う。
九州交響楽団ミュージックアドバイザー及び福山リーデンローズ音楽大使。
北九州文化大使。
WHO国際医学アカデミー・ライフハーモニーサイエンス評議会議員。
使用楽器は1727年製ストラディバリウス(株)ミュージック・プラザ より貸与。 -
ペーター・ヘル (ドイツ)
チェリスト
メンデルスゾーン音楽演劇大学ライプツィヒ教授ドイツ出身のチェリスト兼指揮者ペーター・ヘルは、現在、同世代のドイツ人音楽家の中でも特に多才で注目すべき存在として高く評価されている。彼は早くから古楽への強い関心を抱き、古楽分野で世界的に知られるバーゼル音楽院(バーゼル・スコラ・カントルム)にて、ハインリヒ・シフ、クリストフ・コワンの両氏に師事。古楽の観点に基づいた歴史的アプローチからクラシック音楽の新たな解釈を追求する姿勢をこの時期に培い、後のソリストおよび室内楽奏者としての国際的な活動の礎を築いた。
スヘフェニンゲン国際チェロ・コンクールでの優勝を機に、リンカーン・センター、サントリーホール、ベルリン・フィルハーモニーをはじめとする世界有数のホールにソリストとして登場。さらに、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、ルツェルン音楽祭、ラヴィニア音楽祭などの国際的な音楽祭にも多数出演している。共演歴には、ケルンやシュトゥットガルトをはじめとするドイツ各地の放送局オーケストラのほか、BBCをはじめとする海外の主要オーケストラが名を連ねる。
室内楽奏者としても活発に活動しており、現在もっとも成功しているピアノ四重奏団のひとつとされるモーツァルト・ピアノ四重奏団の創立メンバーとして、ドイツのDabringhaus & Grimm(MDG)レーベルより10年以上にわたって録音を行い、メナヘム・プレスラー、ヨルグ・ウィドマンなど、世界的アーティストとの共演を重ねている。
指揮者としては、ホフカペレ・ワイマールの芸術監督兼首席指揮者を務め、同楽団との録音により権威あるECHOクラシック賞を受賞。また、日本ともゆかりが深く、神戸市室内合奏団の客演指揮者としてドイツ各地の主要ホールに出演している。
近年では、ベートーヴェンのチェロとピアノのための全作品(2021年)、およびシューベルトの《アルペジオーネ・ソナタ》(2022年)を高音質レーベルars-vobiscumよりリリース。2024年には、ハンブルク・エルプフィルハーモニーに出演したほか、北米ツアーとしてニューヨークとオタワにて公演を行い、東京藝術大学でのマスタークラスや上海のスプリング・フェスティバルにも登場するなど、多方面で精力的な活動を続けている。
演奏活動と並行して教育にも情熱を注いでおり、ライプツィヒのフェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ音楽演劇大学にて教授を務めるかたわら、多くの弟子が欧州各国の主要オーケストラに進んでいる。また、ソウル大学校、ワルシャワのショパン音楽大学、フィンランドのサヴォンリンナ音楽祭など、世界各国の著名な教育機関や音楽祭でマスタークラスを行っている。 -
マッシモ・マクリ (イタリア)
チェリスト
マリアーノ・アルフィエーリ・クラシック音楽祭高等教育の創設者
芸術監督 (イタリア・ロエロ)マッシモ・マクリは、サンタ・チェチーリア音楽院にてセルミ氏およびバルドヴィーノ氏に師事し音楽の道を歩み始める。その後、アンドレ・ナヴァラ氏に学び、最終的にはイタリアおよびドイツでジークフリート・パルム氏の下で長年研鑽を積む。数々のコンクールで入賞し、クラシック音楽分野で「チメント・ドーロ(Cimento D’oro)」を受賞。
オーケストラ奏者としては、アレーナ・ディ・ヴェローナ管弦楽団、ミラノRAI交響楽団、ローマRAI交響楽団で首席チェリストを務める。また、聖チェチーリア音楽院国立管弦楽団、バルセロナ交響楽団、テネリフェ交響楽団、バイエルン放送交響楽団(ミュンヘン)、ミラノ・スカラ座フィルハーモニー管弦楽団でも首席チェリストとして協演。RAI国立交響楽団では長年にわたり首席ソロ・チェリストとして在籍。
「私はマッシモ・マクリという素晴らしいチェリストを知っており、また愛しています。彼は深い音楽性、類まれな美しい音色、卓越した技術を兼ね備えた存在です。チェロ・ソリストとして最高の評価に値するすべての資質を持ち合わせています。」
― ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ
これまで、バーンスタイン、ビシュコフ、コンロン、シャイー、ジュリーニ、インバル、マゼール、メータ、プレートル、サヴァリッシュ、シノーポリ、テイトなど、時代を代表する指揮者と協演し、交響曲・オペラ作品における重要なソロも数多く演奏する。
RAIでは、ボッケリーニ、ブロッホ、ダンツィ、フェデーレ、ゲディーニ、グルダ、ハイドン、マンニーノ、R.シュトラウス(「ドン・キホーテ」) の協奏曲、ハイドンとバッハのコンチェルタンテを録音している。
また、トルコ国営放送ではギュレル・アイカルの指揮で、ブロッホ、ハイドン、グルダ、シューマン、レスピーギの協奏曲を収録。RAIやスイス・ロマンド放送でも多くの室内楽演奏を録音している。
イタリア、ブラジル、アルゼンチン、スペイン、日本でマスタークラスを開催。
ディスコグラフィーには、ゴッフレード・ペトラッシの作品(Edizioni Bongiovanni)、ハイドンのニ長調チェロ協奏曲、モーツァルトの四重奏曲および五重奏曲、ロッシーニのセレナータ(Videoradio RAI)、フルトヴェングラーの三重奏曲(Fonè)、20世紀イタリア音楽の歴史的作曲家(ペトラッシ、チレーア、フーガ)によるチェロとピアノのための作品集(Naxos)などのCDがある。
2006年から2018年までトリノ国立音楽院でチェロの教授を務める。使用楽器は、ジョヴァンニ・ガリアーノ(ナポリ、1800年製)およびガエタノ・アントニアッツィ(ミラノ、1887年製)。
最新の録音プロジェクトでは、カステルヌオーヴォ=テデスコの作品を収録したCDを、フエルテベントゥーラ観光局(カナリア諸島)の協力のもと、イタリア・アンサンブルとともに制作。 -
マタイアス・ブルースマ (オランダ)
チェリスト
ユーディ・メニューイン音楽学校教授ソリストとして、また室内楽奏者として国際的に高く評価されているマタイアス・ブルースマは、コンセルトヘボウ(アムステルダム)、ウィグモア・ホール、ロイヤル・フェスティバル・ホール(ロンドン)など世界各地の主要ホールに出演。サン・サーンスのチェロ協奏曲をベルン交響楽団と共演、エルガー、グルダ、カバレフスキーなどの協奏曲を取り上げているほか、近年はエベーヌ弦楽四重奏団とのツアーやラジオ放送の演奏でも注目を集める。
オランダに生まれ、4歳よりチェロを始め、英国ユーディ・メニューイン音楽学校にてルイーズ・ホプキンズ、レオニード・ゴロコフに師事。その後、英国ギルドホール音楽演劇学院およびベルン芸術大学で研鑽を積み、バーゼル音楽院では、ハーゲン・クァルテットのライナー・シュミットより室内楽の指導を受けた。現在、スイスを拠点に活動する国際的な弦楽四重奏団「ジェモー四重奏団」のメンバー。同団は2012年、グラーツで開催された「フランツ・シューベルトと現代音楽」国際コンクールおよびウィーンの「ヨーゼフ・ハイドン室内楽コンクール」にてそれぞれ第2位を受賞。これまでに、イザベル・カリシウス、マキシミリアン・ホルヌング、ラインハード・ラツコ、ポール・メイエ、イザベル・モレッティ、マティアス・ピンチャー、ユリアン・プレガルディエン、イェルク・ヴィトマンらと共演し、ドイツ、オーストリア、スウェーデン、香港、ロンドン、ベルリン、ケルン、ダボス世界経済フォーラムなどでの演奏活動を展開している。
更に今後、メルヴィン・タン、ゲイリー・ホフマン、ヴァレリー・ソコロフとの室内楽共演や、ウクライナのキエフ交響楽団とともにオクサーナ・リーニフ指揮によるマキシム・シャリギンのトリプル・コンチェルトの演奏(バーゼル・シュタットカジノ)を予定するなど、気鋭のチェリストである。
現在、英国ユーディ・メニューイン音楽学校および姉妹校、中国の青島(チンタオ)ユーディ・メニューイン音楽学校でチェロと室内楽の教授を務めるほか、2019年よりオランダ・ハーグ王立音楽院の若手才能育成プログラムの講師を務めるなど、後進の指導にも精力的に活動している。 -
ソンミン・カン (韓国)
チェリスト
独自の大胆さと情熱的かつ繊細な芸術性で知られるカン・スンミンは、11歳でソウル・フィルハーモニー管弦楽団と共演しオーケストラ・デビューを果す。以来、水原(スウォン)フィルハーモニー管弦楽団、仁川(インチョン)フィルハーモニー管弦楽団など、韓国の主要オーケストラと共演を重ねている。
ソリストとしては、マリインスキー管弦楽団、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭管弦楽団、モンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団など、数多くの国際的オーケストラと共演している。
彼女はまた、マリインスキー国際極東音楽祭、ベルリン・フィルハーモニー、ベルリン・コンツェルトハウス、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、リカルド・カストロ音楽祭、ソウル・スプリング室内楽音楽祭などの著名な音楽祭やホールにも定期的に招かれている。
2017年、ベルギーの権威あるエリザベート王妃国際音楽コンクールにて入賞。細川俊夫作曲のチェロ協奏曲「昇華」の演奏がコンクール公式CDに収録され、その演奏がRTBF、Canvas、Le Soir、The Strad Japan などのメディアで注目を集める。また、同コンクールでのドヴォルザークのチェロ協奏曲の演奏は、その年最も再生されたYouTube動画の一つである。
また、2006年に第1回ガスパール・カサド国際チェロ・コンクールで第1位、2009年にはパリのロストロポーヴィチ・チェロ・コンクールで特別賞を受賞。さらに、2015年にはロシア・サンクトペテルブルクで開催されたチャイコフスキー国際音楽コンクールのチェロ部門で第5位に入賞。これは韓国人として初の快挙である。
文化的に多様で現代的なレパートリーに情熱を注ぎ、アルフレート・シュニトケ、細川俊夫、黛敏郎、ペトリス・ヴァスクス、アナトリユス・シェンデロヴァスらの、現代作曲家の作品にも積極的に取り組んでいる。
韓国出身。8歳でチェロを始め、早くから韓国芸術総合学校に特別入学し、チョン・ミョンファ、チャン・ヒョンウォン両氏に師事。2007年にはベルリンに渡り、ハンス・アイスラー音楽大学ベルリンでダヴィド・ゲリンガス、トレルス・スヴァーネの両氏に学び、Konzertexamen(演奏家資格ディプロマ)を取得。 -
海野 幹雄 (日本)
チェリスト
バロック、古典派、ロマン派、現代音楽と幅広いレパートリーを持つマルチなチェリストとして高い評価を得ており、多くのソロや室内楽活動のほか、東京フィル、日本フィル、神奈川フィル等を始めとする主要オーケストラへ定期的に首席チェロ奏者として客演。年間100回を超える公演に出演しており、日本で最も多忙なチェリストの1人として幅広い活動を繰り広げている。また時にはバロック楽器による演奏や、編曲や指揮、即興も行う。
著名な音楽一家(父は元N響コンサートマスター海野義雄、母は元東京都交響楽団首席チェリスト土田由紀子、祖父は元N響ヴァイオリン奏者海野次郎、伯父は元札幌交響楽団首席チェロ奏者土田英順)に生まれるも、音楽を学ぶ機会がないまま中学生となり、14歳より突如チェロを始め、その後桐朋学園に学んだ。倉田澄子氏、堤剛氏、木越洋氏に師事。またベルリンに短期留学し、ベルリン・フィル首席チェリスト、ルートヴィヒ・クヴァントに師事した。
2008年より毎年都内で開催しているリサイタルでは、東京文化会館小ホールや銀座王子ホール等で、毎年あらゆる時代のチェロ・レパートリーを取り上げてきた他、2014年にはベートーヴェンの残した「チェロを含む二重奏曲」全10曲を4名のピアニスト等と共に1日で弾き切る公演、2016年にはバッハ無伴奏チェロ組曲全曲演奏会、2017年には「10回記念リサイタル」として様々な編成の二重奏やチェロ協奏曲を織り交ぜた公演を行うなど、意欲的な企画を次々と打ち出し成功を収めている。また2018年からはベンジャミン・ブリテンを軸としたシリーズ、2024年からはサントリーホール・ブルーローズに会場を移し「西洋と東洋の融合」と題し邦人作品や委嘱新作等を織り交ぜたシリーズを始動、いずれも好評を得ている。
子供たちに演奏を届ける活動にも力を注いでおり、(一財) 地域創造主催「公共ホール音楽活性化事業」(おんかつ)登録アーティストや、「こどものためのクラシック」登録アーティスト(ソニー⾳楽財団)等を務めながら、アウトリーチのスペシャリストとして全国の小学校へソロでの訪問演奏を毎年数多く行っているほか、「若い世代の学校訪問アーティスト」を育てる指導者としては全国の公共ホールから度々招かれている。
また、若手と一緒に室内楽を演奏する企画「室内楽アカデミア」(横浜市フィリアホール主催事業)ではアーティスティック・ディレクターを務め、未来のヴァイオリン奏者を発掘する「金の卵探しています」オーディションを主催する「NPO法人ハマのJACK」では理事を務めている。
その他、12人のチェロアンサンブル「タンタシオン・デ・ブルー」主宰、新潟初のプロ・オーケストラ「新潟Aフィルハーモニック」首席チェロ奏者、埼玉県三芳町のホール専属オーケストラ「ザ・シンフォニエッタみよし」首席チェロ奏者など、多くの演奏団体に関わっている。
2025年、全音楽譜出版社より、自身の編曲による「ゴルトベルク変奏曲」(弦楽三重奏版)が出版され、また同社発刊予定の「チェロ名曲集」にも協力している(自身の編曲作品も多数収録。)
その他これまでに、日本を代表するフラメンコダンサー・石井智子氏の招聘によりスペインの本場フラメンコミュージシャンとの共演や、邦楽器(これまでにお琴、狂言師、尺八奏者等)との共演、バンドネオン奏者とのアルゼンチンタンゴの共演など、作・編曲能力や即興能力が必要とされる現場でも手腕を発揮し、評価を得てきた。
室内楽奏者として仲間からの信頼も厚く、室内オーケストラARCUS(アルクス)、ピアノトリオ海(Meer)、チェンバーソロイスツKANAGAWA、デュオ・カイザーバウム、作曲家・新垣隆氏とのデュオ・オリゴなど、多くのグループで定期的に活動している。
アルバムに「海野幹雄playsシューマン」(2012)、「白鳥〜珠玉のチェロ小品集〜」(2021)、「ゴルトベルク変奏曲・弦楽三重奏版・海野幹雄編」(2023)などがある。 -
©Takada Hiroyuki
渡部 玄一 (日本)
チェリスト
元読売日本交響楽団首席東京藝術大学附属音楽高等学校を経て、桐朋学園大学および同大学研究科修了。1993年にはアメリカ・ニューヨークの名門ジュリアード音楽院を卒業。
在米中、国連本部やリンカーン・センターをはじめとする一流ホールでリサイタルを開催し、その豊かな音楽性と深い表現力で聴衆と批評家から高い評価を受ける。
さらにインディアナ大学にて研鑽を重ね、帰国後はソリストとして、また室内楽奏者、オーケストラ奏者として国内外で幅広く活躍している。
NHK-BSおよびNHK-FMなどのメディア出演を通じて、クラシック音楽の魅力を広く発信する一方、2003年には文化庁の海外派遣員として1年間ドイツ・ミュンヘンに滞在、欧州での音楽研修を通じて国際的な視野をさらに広げた。
2008年には演奏家集団「株式会社トウキョウ・アンサンブル・ギルド」を設立。従来のコンサート活動にとどまらず、全国300校以上の学校訪問や、介護施設・養護学校・少年院など社会的な現場での演奏活動も精力的に展開。音楽の力を社会に還元する姿勢は多くの共感を呼んでいる。
また「ストーリー・コンサート」という革新的な演奏形式を創出。俳優や声優とともに言葉と音楽を融合させた舞台は、クラシック音楽の新たな可能性として注目を集めている。
著書に、家族の絆と知性を綴ったエッセイ『ワタナベ家のちょっと過剰な人びと』、知の巨人である父・渡部昇一氏の教えを綴った『明朗であれ 父、渡部昇一が遺した教え』(いずれも海竜社)などがあり、文筆家としての顔も持つ。
ファーストアルバム『It’s Peaceful Here ここは良きところ』をリリースし、音楽に込めた世界観を幅広く表現している。
2014年からは自身がホストを務める音楽教養番組『音の教養』が衛星放送にてスタート。翌年には番組をコンサートとしても展開し、音楽と知の融合を多くの観客に届けている。
元読売日本交響楽団団員。フェリス女学院大学講師として、次世代の音楽家育成にも力を注いでいる。